第66号

年頭にあたって

団結権獲得に向けて組織強化拡大を推し進めよう。

全国消防職員協議会会長
米田 晋

会員の皆様、明けましておめでとうございます。年頭に当たり全消協幹事会を代表してご挨拶申し上げます。昨年も全消協の諸活動を着実に推進することができました。本年2003年は、昨年11月の「ILO結社の自由委員会第329次報告・勧告」に沿った消防職員の団結権獲得を含む公務員の労働基本権を前提とした透明で民主的な公務員制度改革の実現など山積する諸課題の解決に向けて、取り組みの強化をお願いいたします。
 


危機管理能力を

 昨年は、地球規模の異常気象にともない、国内では台風6・7号の発生、ヨーロッパでは洪水の被害など、私たちが予測もできない災害が相次いで発生しました。災害現場の第一線で住民の生命と財産を守る私たち消防は、総合防災機関として関係機関と連携して防災計画の策定を進め、予測のできない事態にも対処していかなければなりません。全消協としても、昨年12月5日、消防庁に対して、自治労を通じて、新時代にふさわしい常備消防体制の在り方に関する要請(2・3頁参照)において、災害対処のあり方について示したところです。また、災害に対する消防の使命遂行に万全を期するため、各自および各単協においても危機管理意識を持ち、消防防災体制の充実強化に向けて、万全の策を講じる必要があると考えます。

第91回ILO総会の成功に向けて

 全消協は、昨年2月28日から3月10日まで、ILO・PSI(国際公務労連)本部およびフランス・イギリス・ドイツの消防職場(労働組合)への調査・訪問をいたしました。訪問目的としては、1.2003年第91回ILO総会において、日本の消防職員の団結権問題について協議されるよう協力要請とともに、その実態を報告すること、2.団結権を持ったヨーロッパの消防職員の労働条件および日常の活動を調査し、消防行政の改善に向けた取り組みを強化することでした。
3月1日には、ジュネーブのILO本部にてジェルニゴン結社の自由部長、PSI(国際公務労連)本部にてエンゲルベルツ書記長と面談し、日本の消防職員の団結権問題の現状と消防職員委員会の問題点につき報告するとともに、その内容につき協されるよう協力を要請したところです。(詳細は、ILO・PSI訪問およびヨーロッパ消防行政実態調査参照)また、第91回ILO総会で協議されるよう、連合・自治労を通じて、条約勧告適用委員会に対して意見を提出したところです。そして、国内における透明で民主的な公務員制度改革実現に向けた取り組みとの相乗効果によって、第91回ILO総会を成功裏に終了すべく会員一同一致団結をお願いいたします。

さらなる組織強化拡大を

 全消協は、34県に181組織11600人の組織となり、全国の消防本部単位で見れば、皆さんの努力で約2割の地域に各単協が結成されました。しかし、全国15万人消防職員数から見れば、今なお1割に達していません。この現状を打開するためにも、
昨年第26回定期総会で採択された「組織強化・拡大5ヵ年計画」を推し進め、当面の目標である3万人体制を実現しようではありませんか。
そのことにより、全消協が全国の消防職員を代表する組織として社会的に認知を受け、そして団結権獲得への大きな基盤になると信じております。
 輝かし年の初めにあたり、会員の皆様のさらなるご支援とご奮闘いただきますようお願い申し上げますとともに、皆様の一層のご発展とご多幸をお祈り申し上げて、年頭のご挨拶といたします。

二〇〇三年一月吉日