第65号

透明で民主的な公務員制度改革を求める連合10.17中央集会へ結集

 
 10月17日、全国的に取り組んだ請願署名の提出と今後の取り組みの意思統一をはかるため、連合・連合官公部門主催で「透明で民主的な公務員制度改革を求める中央集会」を日比谷大音楽堂で開催しました。(写真1)全国から5,000人、うち全消協からも17人が参加しました。請願署名は、目標を上回る10,456,117人、うち全消協として44978人にのぼりました。18日には、各組織からの参加者の代表は、このうち、地域・民間組合から集約した130万人分を民主・社民・自由各党237人の紹介議員の部屋に出向いて手渡し、国会への提出を要請しました。(全消協からは、長江副会長、増田事務局次長が署名を提出)

 主催者を代表して草野連合事務局長、来賓として、中野寛成民主党幹事長、福島瑞穂社民党幹事長、広野ただし自由党行政改革・地方自治部会長のあいさつの後、山本対策本部事務局長が基調報告を行い、1.1,000万人を超える署名集約など公務員労働者の労働基本権確立の闘いは、アジア諸国にも影響を及ばすという責務を負った運動である、2.使用者権限を一層の拡大し、人事院の代償機能を無にする公務員制度改革大綱に対して、11月のILO結社の自由委員会において労働側に有利な勧告がでるよう対策を強化する、3.国会対策など政治の場を通じて、大綱の撤回を求め決着をつけると述べました。

 集会では、「大綱の撤回に向けて、さらに運動を進めよう」とのアピールを採択、丸山対策本部長の音頭で「団結がんばろう」を三唱して、集会を締めくくりました。

※全消協においても、ILO結社の自由委員会の勧告など11月は公務員制度改革の取り組みのヤマ場と位置付け、1.国会議員はがき要請行動(11/11〜12/15まで)、2.11月29日の「透明で民主的な公務員制度改革を求める11.29中央集会」への参加など連合・自治労と連携して取り組みを強化します。


透明で民主的な公務員制度の改革を求める11.29中央集会」を開催

 現在、公務員制度改革大綱の内容に基づく地方公務員法改正案が次期通常国会に上程が予定されるなど、使用者本位で地方公務員制度が抜本的に転換されようとしています。また、消防職員の団結権を含む公務員の労働基本権を無視した公務員法制の改正を阻止するため、2月26日、政府が進める改正内容が結社の自由をはじめとしたILO諸原則に違反するとして、ILO結社の自由委員会に対して提出した提訴 《下記の3月 日本政府の結社の自由違反についての提訴に関する追加情報参照》 内容についての勧告が11月下旬に示される予定です。
このような情勢を受けて、全消協としても、連合・自治労と連携して、「透明で民主的な公務員制度の改革を求める11.29中央集会」の参加を通じて、引き続き労働基本権を確立し民主的な公務員制度改革の実現に向けて取り組みます。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

(1)日時:11月29日(金)18時から19時※集会終了後、ひきつづきデモ行進があります。
(2)場所:東京・日比谷大音楽堂〈別紙1〉

※参加にあたっては、各単協発送の発文をご参照ください。なお、ご質問等については、全消協事務局(03-3263-0271)までお願いいたします。

3月 日本政府の結社の自由違反についての提訴に関する追加情報

日本の消防職員の団結権と消防職員委員会について

日本政府の結社の自由違反についての提訴に関する追加情報
1.団結権


現行法の規定(条文)

特徴的な権利侵害の事例

われわれの主張

1)団結権の否認

国家公務員法第108条の2第5項―「警察職員及び海上保安庁又は監獄において勤務する職員は、…当局と交渉する団体を結成し、又はこれに加入してはならない。」

これらの職務における一方的指揮命令に対し、それをチェックする仕組み、存在がないことが警察不祥事の大きな要因であ ることは疑いを待たない。監獄等においても、閉鎖空間であるだけに、業務が一方的指揮命令関係のみで律されているとすれば、その公平・公正を保障することは難しい。 これら職員以外の職員団体の活動制限を鑑みるに、あえてこれら職員についてのみ一律的に団結権を制限する必要性は認められない。また、一方的指揮命令関係による様々な弊害に対して、民主制確保の仕組みとして、職員団体の組織化は大きな役割を果たすことになる。

地方公務員法第52条第5項「警察職員および消防職員は、…当局と交渉する団体を結成し、又はこれに加入してはならない」

1965年に87号条約を日本政府が批准して以来36年が経過しているが、条約を批准している国のうち、消防職員の団結権 を禁止しているのは日本のみとなっている。

(追加資料bP:内容は掲載記事参照)

日本の消防職員が団結権を持っていない現状は当然に87号条約に合致していないと考える。

 

 

 

1.全消協について

 全消協は自主的な組織として、1977年8月に36組織2,500人で発足し、現在180組織11,500人が結集している。結成以来、消防職員全体の連帯意識を高め、明るい魅力ある職場づくりと会員の生活・権利の向上、そして消防行政の改善と団結権の確立をめざした活動を展開している。
  また、連合や自治労との連携を通じて、諸課題の解決に取り組んでいる。消防職員委員会については、政労合意を踏まえた民主的な運営と実効性の確保に努力してきている。ただ、消防職員委員会の効果的な運営や、全消協の運動を実現していくために不可欠な自主組織づくりについては、消防当局などの不当な妨害や圧力もあって、大きく進展していない。根底には団結権が付与されていない問題があり、全消協は一日も早い団結権の確立を希求している。

2.消防職員委員会の運営経過と今後の対応について

(1)連合・自治労および全消協は、委員会制度を民主的かつ有効に活用するなかで、消防職員の団結権保障への環境作りと国民的合意を推進していく立場で取り組んできた。

(2)その結果、特に全消協加盟の職場では、職員の意見が一定反映され、職場環境が改善されてきた。自主組織のある消防職場ほど、消防職員委員会は機能しており、消防職員に団結権を保障する環境はいっそう整いつつあると考える。

(3)一方では、かなりの職場で消防職員委員会が開催されず、職場課題の解決が進まないなどの問題点がある。詳細な検証作業による報告を予定しているが、現段階で把握している問題点は以下の通りである。

1.消防職員委員会で職場環境の改善がはかられない理由
○意見集約を所管する部署で事前に意見の取捨選択が行われている。
○審議結果に対して消防長や首長部局に履行する義務がない。
○政府の普及啓発や自治体当局・消防当局の対応に不適切さがある。

2.消防職員委員会によって民主化が進んでいない理由
○審議結果に対し、消防長や首長部局が十分に応える施策を行っていない。
○意見を提出した職員に対して当局側からの不当な弾圧や嫌がらせなどを受ける。
○当局の不当な圧力や懸念材料による職員の躊躇や諦めがあり、意見提出がないために委員会が開催されないケースが相当数出てきている。

(4)消防職員委員会制度は、職場の環境改善を一定進めたものの、消防職員の勤務条件を決定する制度としては不十分で問題も多いところである。制度導入後6年を迎えているが、政府は法改正に向けた検討を進めていない。