第63号

半鐘のこだま

 

 アメリカ同時多発テロの報道を思い起こすと、どうしてもアメリカの消防士の姿に注意を惹かれてしまう。特に、アメリカ国民の消防士に対する敬意の表し方には驚くばかりである。救援者に対して星条旗を振り、そして国歌を歌いその活動を称える。またハリウッド映画の作り方を見ても、アメリカ国民が消防士に対して尊敬の念を抱いているように思える。ただ単に国民性だけではなく、長い歴史の中で培われた市民と消防との良質な関係が感じずにはいられない。
  日本人が消防士という職業を軽視しているとは決して思わないが、どうしてもアメリカと比較してしまう。もしかすると私たち自身の不必要な部分でのプライドによって、消防が社会に対して閉鎖的になっていないだろうか。結果として、市民にとって消防が遠い存在になっているのかもしれない。
  これから、いかに私達の側から市民に近づき、アピールをしていくか・・・全消協にとって大切な活動だと思う。もしかしたら、市民の消防士に対する気持ちの持ち方次第で、今、消防職員が抱える様々な問題が驚くほど簡単に片付いてしまうのかもしれない・・・。

(中国幹事  高橋光男)