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ILOと消防職員団結権 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
5. 公共緊急サービスを取り巻く環境が変化するなかでの社会的対話に関するガイドライン | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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国際労働機関 公共緊急サービスに関する合同会議:
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ジュネーブ
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公共緊急サービスに関する合同会議「変わりゆく環境における社会対話」は、 2003年1月27日から31日までジュネーブで開催され、 本日2003年1月31日に、以下のガイドラインを採択する。 |
総説
A. | . 経済的、社会的および治安面の環境が変わりゆくなかで、公共緊急サービス(PES)の増強が求められている。これらのサービスには、よく訓練され適切な力量を備えた労働者が質の高いサービスを給付し得るように、充分な資金が提供されなければならない。質の高いサービスとは、効果的に地域社会のさまざまな部分の必要に応え、サービスを給付する側の高度の倫理行動に裏打ちされたサービスのことである。この不安定な時代、生命や財産に対する脅威が増大していることに応じて、最前線で公共緊急サービスに従事する労働者が果たす重大な役割が認識されるべきである。 |
B. | こうした目的のため、公共緊急サービスに従事する労働者のすべてが、労働における基本原則と権利に関する1998年のILO宣言に従って、自らの労働における基本的諸権利を効果的に行使できるようにするべきであり、そのうえで質の高いサービスを設計し給付することを促す質の高い労働条件が達成されるべきである。 |
C. | . 公共緊急サービス労使間に、労働における基本原則と権利に関するILO宣言に基づく社会対話のメカニズムが存在しない場合は、それが構築されるべきである。そうしたメカニズムは、効果的なサービスを促す条件を決めるとき、効果的な声を求める鍵となる。 |
雇用水準
1.1 | サービスをより効果的に給付するための決定には、以下の諸点がバランスよく考慮されなければならない。 | |
1.1.1 | 新しい技術の適用 | |
1.1.2 | ディーセントワークおよび質の高い労働生活を保証するために必要な人員水準 | |
1.1.3 | 予想される需要の性質および範囲 | |
1.1.4 | 不測の事態に備える計画づくり | |
1.1.5 | 予算配分および資金の使途 | |
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1.2 | それゆえ、公共緊急サービスへの投資は、やがてサービスを蝕むことになる雇用削減を避けるとともに、必要なところでは、対応の率と質を高めるために人員水準を拡大することが計画されるべきである。 |
雇用の多様性
1.3 | 公的緊急サービスの雇用において、性別、民族その他の多様性をより拡大させる必要から、ILOの(雇用および職業における)差別禁止条約(1958年、第111号)で述べられた雇用機会と処遇の平等原則に沿って、これらのサービスにおける偏見と差別をなくす強い努力が求められる。 | |
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1.4 | 雇用の多様性を高めるために、公共緊急サービスの使用者は、社会対話を通じて労働者および労働団体と協力して、多様性に関する政策を規定し、実施する義務を負うべきである。その政策には、計画と管理手段の一部として、以下を含めるべきである。 | |
1.4.1 | 年齢、性別および民族ごとの雇用構成の推移に関する記録と追跡調査 | |
1.4.2 | 客観的採用基準の確立 | |
1.4.3 | 結果を評価する客観的なシステム | |
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1.5 | 雇用の多様性を高め、維持するために、公共緊急サービスの業務に関心があり、かつその資格を有する若者、女性および少数民族の候補者を採用し、定着させるための積極的なキャンペーンが人材計画に組み込まれるべきである。目的達成に障害と見なされる場合には、採用担当者の態度もまた変えられるべきである。 | |
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1.6 | 採用ないし定着のための基準達成を促す措置には、以下が含まれよう。 | |
1.6.1 | 産休と職場復帰を促す法規 | |
1.6.2 | 保育施設の利用拡大等の労働と家庭生活の両立支援を目指す政策 | |
1.6.3 | キャリアの前進を阻む障害を正すための分析と行動 | |
1.6.4 | キャリア形成に結びつく新人研修や継続的な研修機会の提供 | |
1.6.5 | 適切な個人防具の研究と提供およびその効果的な使用 | |
1.6.6 | いやがらせのない労働環境の確立と、あらゆる職員に対するジェンダーおよび人種についての意識研修 | |
1.6.7 | あらゆる職員にとって平等で公平な苦情に関する政策 | |
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1.7 | 社会対話は、公共緊急サービスが、年齢、性別、民族の面で地域社会をより大きく反映するように、雇用の多様性をさらに拡大していくための効果的な手段となるべきである。 | |
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1.8 | 法と秩序の諸問題に対処するにあたり、地域社会に根ざしたサービスを目指す新たな志向を効果的に実践するために、より多様な民族の代表を通じることを第1として、情報を共有するための先見性のあるコミュニケーション政策がとられ、信頼が構築され、公共緊急サービス間、とくに警察との間におけるパートナーシップが創造されるべきである。 |
研修
1.9 | サービスと労働環境を改善するための職員研修と資格付与は、労働の質とサービス給付を改善するために最も重要なものと考えられるべきであり、充分な資金が供給されるべきである。研修プログラムは、特殊化の度を強める公共緊急サービス労働の性質に合わせて仕立てられ、急速に変わりゆく労働環境において、自らの責務を果たし高度の専門性を維持するために必要な技能と能力を職員に提供するものであるべきである。公共緊急サービスに従事する労働者は、質の高いサービスを提供するために必要な技能を身に付けるための研修基準の開発に参加する権利と責任を持つべきである。 |
2.1 | 生産性が高く品質の良いサービスが確実に給付されているにもかかわらず公共緊急サービスに従事する労働者の労働が過小評価されることを避けるために、より良い労働条件および適切な賃金構造や賃金水準について効果的な社会対話の気風と仕組みを備えることが、公共緊急サービスの労使双方にとって最優先政策と考えられるべきである。賃金その他の給与や雇用条件は、充分な資格を有し経験を積んだ労働者を採用し、訓練し、定着させるために計画される人材開発政策の一環として考えられるべきである。 | |
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2.2 | 作業量と責任の増加に伴い、公共緊急サービスに従事する労働者の代表の意見は、労働時間の編成に係る諸決定における社会対話の過程を通じて、充分に認められるべきである。公共緊急サービスに従事する労働者が、他の分野の労働者とは、責任やサービス給付の急迫性において違い、そのために労働編成に関しても異なることに留意するあまり、彼らの独特な社会的役割を理由として、これらの問題に関して効果的な社会対話の権利をこれらの労働者たちについて否定するべきではない。そのような否定をすると、やがては迅速かつ質の高いサービスの給付という目標に反することになるであろう。 |
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2.3 | 公共緊急サービスにおける労働条件の確立には、さまざまな自治体や国の当局の要望ないし必要が考慮されるべきである。それゆえ、労働条件は、国内法や慣例に従った適切なレベルにおいて、団体交渉ないしそれと同等の機能を通じて決定される必要がある。警察がどの程度そうした仕組みによるかは、国内法規によって定められるべきである。 | |
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2.4 | 途上国において公共緊急サービスに従事する労働者には、法的にも実際にもディーセントな生活のために最低限の所得を保障する権利が認められるべきである。最低賃金とは、労働者本人とその家族の適切な生活条件、健康および教育の必要に見合う賃金水準を意味するべきである。効果的な最低賃金によって、疲労による余分なリスクを負ったり公衆の健康と治安を危険にさらしかねない所得を補うための非番時の労働を減らしたり、あるいはなくすことができる。国内法ないし慣例によって確立されていない場合には、最低賃金水準を設定し、それを適用、実施するための基準を規定するための法的な仕組みが、労働者や労働者代表の参加を得て、設定されるべきである。 | |
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2.5 | 一般的ではない時間、不規則な時間に働き、緊急事態には直ちに対応する彼らの責務を理解し、労働時間と勤務の割振を規定する際には、次の原則が遵守されるべきである。 | |
2.5.1 | 一週間の労働時間の上限、一日の連続休憩時間の下限、および一週間の連続休憩時間の下限を規定する法律は、非常時を除いて、遵守されるべきである。 | |
2.5.2 | 当務中、公共緊急サービスに従事する労働者の休憩時間は、労働時間とみなされるべきである。 |
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2.5.3 | 使用者が労働者に特定の任務の必要のため、あるいは特定の場所において、待機を求める場合、どれほどの長さであれ正規労働時間を超えるシフト分については、そうした待機時間は、他に代償措置が存在するときを除き、労働時間として取り扱うものとする。使用者は、労働者にそうした方針を告知する責任を負うものとする。 | |
これらの原則の適用については、社会対話と団体交渉を通じて議論され、決められるべきである。 | ||
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2.6 | 給与体系は、雇用に必要とされる資格、労働時間、リスクおよびストレスの程度などを含む、多くの要素に基づいて制定されるべきである。警察官、消防士、および救急医療サービスに従事する労働者を含む公共緊急サービスのさまざまな職業グループ間の比較には、社会対話を通じて設計され運用される職務と給与の評価システムに基づいて、自治体や国の状況を反映させるべきである。われわれは、公共緊急サービスの各部門が公共の安全を提供するうえで、それぞれ独特ではあるが等しく重要な役割を果たすことを理解する。この労働の対等性ゆえ、賃金、手当および資金の面でも対等な価値たるべきである。 | |
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2.7 | 情報によれば、公共緊急サービスにおいて女性は補助的地位に集中しており、男性よりも賃金が低い傾向があるが、平等報酬条約(1951年、第100号)の規定が、職務を遂行する職員の性別に関わりなく同一価値労働同一報酬を確立するために、給与体系に適用されるべきである。 | |
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2.8 | 公共緊急サービスに従事する労働者の遂行する仕事の危険ゆえの早期退職と年金制度の性質、および退職年齢に近づく職員数と採用数減少の間の不均衡が増大していることから、使用者は、退職に際して給付を保障する退職システムの計画、設計および資金調達をするべきである。そのようなシステムは、公共緊急サービスに従事する労働者を含むあらゆる関係者が代表される機関によって管理運営されるべきである。 |
3.1 | 公共緊急サービスに従事する労働者の勤務中の死亡、負傷、障碍および疾病の結果が、個人、同僚、家族および組織に及ぼす心理的あるいは雇用上の衝撃を減らすために、公共緊急サービスの使用者は、先見性のある政策と予防的措置に基づいた高い水準の職場安全衛生を約束するべきである。労働者は、これらの措置の設計と実施の過程に参加するべきである。 | |
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3.2 | この目的のための具体的措置には、以下が含まれるべきである。 | |
3.2.1 | 自治体や国の安全衛生法規で他の労働者に適用されるものが公共緊急サービスに従事する労働者に適用され、適切に施行されること | |
3.2.2 | 他者を救い出すために自分の生命に危険が迫るような状況において、自らを守り自分自身を救出するために適切な資源が配分されること | |
3.2.3 | 公共緊急サービスの労働環境を絶えず改善するために、安全衛生分野において新たに開発された技術が適用されること | |
3.2.4 | 国際的基準に見合う新しい装備を発展途上国の労働者にも利用できるようにすること | |
3.2.5 | 安全衛生基準とそれらの適用について、できるところから団体交渉をすること | |
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3.3 | 他者を救助する際に直面する物理的、化学的ないし心理的な危険を考慮し、公共緊急サービスの使用者は、適切にデザインされた個人用防護具(PPE)や道具を含む、利用し得る最適な防護措置を公共緊急サービスに従事する労働者に提供するべきである。女性の公共緊急サービスに従事する労働者に提供される防護服、ブーツその他の装備は、女性労働者の安全衛生および効率的なサービス給付のために、当人の身体的な要件に見合ってデザインされなければならない。労働安全衛生を向上させ、公共緊急サービスに従事する労働者に直接影響が及ぶ職業病を減少させる方法についての継続的な調査研究が行われるべきである。 | |
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3.4 | 最前線で公共緊急サービスに従事する労働者の知識と経験は、関連する諸機関の女性労働者の声も含め、社会対話の過程を通じて、個人用防護具の適切なデザインと使用に活かされるべきである。 | |
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3.5 | ネガティブ・ストレス、「燃え尽き(バーンアウト)」現象、および当務中の公共緊急サービスに従事する労働者への暴力による衝撃、とりわけ心的外傷後ストレス障害(PTSD)を引き起こす恐ろしい事故や悲惨な死といった深刻な事件による衝撃を軽減するために、公共緊急サービスの諸機関は、以下を実践するべきである。 | |
3.5.1 | 当該機関の職員とその身近な家族を累積的ないし特別な事件のストレスから守るために、惨事ストレス・デブリーフィング(CISD)を含む適切なストレス・マネジメントとカウンセリング・プログラムを、往々にしてこれらが行われることのない農村部や発展途上国に特別な注意をもって、制度化すること | |
3.5.2 | 職場暴力に対して「許容度ゼロ」の方針をとり、暴力事件が引き起こすあらゆる問題に対して確実に機動的な介入をすること | |
3.5.3 | 惨事ストレスや暴力の可能性についてのリスク・アセスメントに着手すること | |
3.5.4 | ストレスと暴力の問題について効果的な社会対話を通じて諸問題に対処するために、課題、政策および措置の定期的な見直しを行うこと | |
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3.6 | 公共緊急サービスに従事する労働者の間で、傷病者を扱う際のエイズ(HIV/AIDS)その他の感染症への感染に関心が高まっていることに鑑み、使用者団体と労働者団体は、協力して労働者がそのような疾病について教育をうけ、啓発されるとともに、適切な防護具が与えられるように努めるべきである。エイズ(HIV/AIDS)その他の感染症に対するキャンペーンにおいては、ILOのエイズ(HIV/AIDS)と労働の世界に関する実践コードを含む「普遍的予防」原理に基づいて、予防戦略が立てられるべきである。これには、(とくに農村部における)防護服の供与、可能なところでは免疫を与えること、「普遍的予防」原理の適用についての訓練、および効果的な適用を評価するための監視メカニズムの制度化などが含まれよう。 | |
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3.7 | 予防措置が感染の防止に足りないところでは、感染が職務に関連する場合に公共緊急サービスに従事する労働者に対して労災補償が提供されるべきである。 | |
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3.8 | ストレス・マネージメントやカウンセリング・プログラムをはじめ、エイズ(HIV/AIDS)その他の感染症への無防備や流行を減らすための措置に関しては、ストレス・マネージメントやカウンセリング・プログラムを試みている人にしばしばきせられる汚名や潜在的な職場孤立を避けるために、秘密性が厳守されるべきであり、正式に規定されるべきである。 | |
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3.9 | 変わりゆく公共緊急サービスの対応や労働環境を考慮し、新たな安全衛生措置の企画と実施について、とりわけ新たに開発された技術と個人用保護具への適用について、情報を共有することは、国際レベルで奨励されるべきである。とくに新しい課題や優れた実践例についてそうした情報を共有することは、とりわけ発展途上国における公共緊急サービスに従事する労働者の安全衛生の改善に寄与するであろう。 | |
3.10 | 個人用防護具に関して適切な地域的な基準があれば、公共緊急サービスの国際的な基準を開発する際に参考になるに違いない。 |
4.1 | 労使間あるいは適宜サービスの利用者も交えた効果的な社会対話メカニズムが、公共緊急サービスの供給におけるあらゆる需要と制約に関わる重要な諸決定に関係者すべての参加を保証するために決定的な手段であることは、広く認められている。社会対話によって、共通の利害に基づいて改善をはかる者や、対立する観点についての妥協の途を探る者のすべての能力を向上させることができることをふまえ、公共緊急サービスが良く行き渡り、効果的で、説明責任が果たされ、質の高いサービスが供給されるように、効果的な社会対話メカニズムを構築することが、公共緊急サービスの労使全体の目標になるべきである。 | |
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4.2 | 基本的諸権利(総説のBを参照)に関してと同様に、社会対話の要素には、労使双方が相手を認め、互いに敬意を払い、相手方の発言に耳を貸そうとすることが含まれるべきである。こうした要素によって、社会対話を通じて合意された事項を実施する際の共同責任が保証される。 | |
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4.3 | 基本的諸権利への敬意と社会対話メカニズムの構築を保証するため、政策と実践を採択する際には、以下の諸原理を念頭に置くべきである。 | |
4.3.1 | 結社の自由と団結権の保護に関する条約(1948年、第87号)と団結権と団体交渉件に関する条約(1949年、第98号)は、労働者の団結し団体交渉を行う基本的な権利を、公共サービスにおけるそれらも含めて、記している。これらが警察官にどの程度まで適用されるかは、国の法令によって決められる。こうした状況の下で、適正な労働関係(公共サービス)に関する条約(1978年、第151号)および団体交渉に関する条約(1981年、第154号)は適用されるべきである。 | |
4.3.2 | 団体交渉の過程は、関係者間の自発性に基づくべきである。 | |
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4.4 | 可能であれば、紛争は交渉を通じて解決されるべきである。それができない場合には、適宜、調停、仲裁、裁定を含む公正で効果的かつ迅速な紛争解決手続き、あるいは、これらの手続きがうまく行かない場合には、互いに合意した法的過程である。これらの過程は、ストライキ権が制限されている者も含めた公共緊急サービスに従事する労働者のすべてが利用できるようにするべきである。既存の手続きは、あらゆる過程段階においてすべての関係者が緊密に関与して改善されるべきである。 |
5.1 | 効果的なサービス給付のため、とりわけ公共緊急サービスの人命救助の使命を実現するためには、公共緊急サービスの各部門間に優れた協調(コーディネーション)が確保されなければならない。効果的な協調は、指令、権限、責任の連鎖構造がはっきりと確立され、各機関の役割と責任が明確に定められることによって、最も発揮される。優れた協調の実践は以下の要素を含むべきである。 | |
5.1.1 | 明瞭に定められた各サービスの範囲、公共の安全を提供する際のそれぞれに明確な任務。各サービスは等しく重要な役割を果たし、等しく価値があるとみなされるべきである。 | |
5.1.2 | 全国レベルと国際レベルの双方における、とりわけ危機管理と危険物についての、共有された情報と信頼できるコミュニケーションのネットワークにおけるサービスの協調 | |
5.1.3 | 承認され、かつ明確な上級マネジメントのガイドラインおよびプロトコルの範囲内の権限委譲 | |
5.1.4 | 既存の協調メカニズムの弱点を明確にし、緊急事態が実際に発生したときに円滑な機能を確保するための、各関係機関の職員が参加する継続的な合同訓練や演習の実施 | |
5.1.5 | 各機関の相互の「陣取り合戦」による資金争いを避けるための、効果的な協調に充分な資金提供 | |
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5.2 | 国際的な視野において災害によりよく闘うために、国際的な早期警戒体制の確立を考えるべきである。 |
1. | 今日のILOの第1の目標は、自由、平等、安全そして人間としての尊厳という条件において、女性と男性にディーセントで生産的な労働を得る機会を促進することである。これにより、ILOのディーセント・ワーク・アジェンダの4要素、すなわち、労働の諸権利、雇用、社会保護および社会対話、の促進と矛盾しない政策が求められる。 |
2. | これらの目的を達成するため、ILO理事会には、変わりゆく環境における公共緊急サービスの社会対話に関する本ガイドラインが、政府や社会的パートナーおよびその他の主要な政策策定機関によって効果的に適用されるよう、適切な技術的助言サービスと技術的な協力を通じて、これを推進しフォローアップするよう事務局長に要請することが求められる。 |